HUKUROU書斎 Piaoriyongの日常

池袋で牧師をやっています。クリスチャンとして、牧師として日常を綴る

教理史2(教义史2)キリスト教の亜流(紀元二世紀から三世紀初頭にかけて)

キリスト教の亜流(紀元二世紀から三世紀初頭にかけて)
 

代表的な亜流にはエビオン主義、グノーシス主義、マルキオン、モンタノス主義を数えることができるが、ユニークな教理体系を持つこれらの亜流が主流に対して共通して挑戦となった問題点の中で、最も重要な点は、旧約聖書新約聖書の教えの一貫性、継続性問題であり、これが主流派における教理形成の規範的要因であることからして、この点で亜流は退けられることにもなる。

 

1. エビオン主義(伊便尼派(否定耶的神性)):エビオン主義は福音を旧約聖書あるいはユダヤ教の枠内で理
解し、預言者としてのイエス、旧約律法の規範性などを強調し、主にユダヤ人に広まる。

キリストは人間であり、後で神性を付与したと。キリストを礼拝することができるのか。キリストが神として礼拝することができるか、偶像礼拝になれないのか?エビオン主義はキリストをメシヤとして呼んでいいと主張する。ユダヤ人からクリスチャンとなった人は律法を守る必要があるが、異邦人は守らなくてもよいのであると。

2. グノーシス主義斯底派):その教理の基本は福音のユニークさの極端な強調であり、その結果旧約と新約との断絶、新約優位の主張となり、福音をヘレニズム文化の枠内で理解することとなる。主流派による、この時代最大の教理表現である「使徒信条」はこの立場の反駁を主軸とする。2世紀初頭から、非常な勢いで異邦人からクリスチャンになった人たちの中に急に広まった。

「救済論」の中心となる宗教。グノーシス主義の種類はたくさんあるが、共通点は「救い」に関している。

彼らの基盤としては「二元論」。霊の世界と物質の世界。両方を分ける。プラトン主義の影響を受けている。神プラトン主義の「流出説」を取ったのである。この立場で救いを理解するときには、神は霊的な神であり、この物質の世界とは別存在である。創造の神は低い神であり、霊的な神は高い神である

エスキリストは、神からの流出のアイオンであると。その流出の一つがイエスであると「人間の身体と結びついた」ということはグノーシス主義の中で共通していた。バプテスマヨハネから洗礼をうけた時に、アイオンが大工のイエスからキリストに変えたという。ただし、霊的なアイオンだから、十字架の上で死ねないから、十字架につけられる前に、大工のイエスから離れたと主張する


3.マルキオン(吉安派(反道成肉身)):一般にグノーシス主義に分類されるが、その立場からキリスト教文書のあるものを聖書正典とみなしたことなどから、特異な挑戦として主流派からの反論を受ける。

① 二元論。霊的なものがより優れたのであると。物を作った神は低い神であり、霊的なものを作った神は高い神とされた。

② 完全に旧約と新約を対立してしまった。旧約は残忍な神だと。

③  マルキオンの正典には新約のみである。パウロの書簡の中で、牧会書簡除いた10書簡とルカ福音書だけ。しかし、ルカで1,2章はない。二元論からの受肉というものはないからである。

4.モンタノス主義(孟他奴派(圣灵,说预言)):旧約預言に対して、福音に基づく「新しい預言」を説いた黙示的、終末的運動であり、その教理への反動として、後の三位一体論の形成にも繋がる。

① 預言者たちが語る。聖霊の働きが顕著に現れ、世の終わりが来る。この運動は、聖霊待望運動を強調し、どこに新しいエルサレムができるのなどの問題。

② 福音を否定するのではなく、それに加えて新しいものを付与。それは新約を超える新しいものだと。継続性を超越したものだとして、退けるようになる。

③ 当時多くのクリスチャンたちがモンタノス主義に走ったのは、当時のヘレニズム時代が二元論(プラトン主義)だった背景がある。時代に合った主義が必ずしも正しいとはいえない。今もそのようなことが起こりうる。だから、真理をしっかり学ぶ必要がある。