『ギリシャ神話 神々と英雄に出会う』を読んで
本からのピックアップ:
オリエントとギリシャ神話の共通点がある:
闘いと暴力的な方法で前の世代から権力を奪うことである。後継の世代を倒さなければ、勝利は決定的なものにならない。
ギリシャ人はオリエント神話の伝播を受け、物語を発展させた。
神話で人類の誕生について:
大地から誕生説もある。いくつかの民間伝承的な発想がある。樹木や岩石から誕生したなどの説がある。人類最初の女はパンドラだという。
土と水から美しい娘を作り、人間の声と女神のような美しい容姿と衣装を与える。この少女に「犬のこころと盗人の本性」が贈られた。
悪と苦しみの起源:
女がかめのふたを開けるとかめに入ったものがたちまち世界中に飛び散り、慌ててふたを閉める。中には「希望」だけ残った。女によって世界中に災い、苦しい労働、病苦、災害が蔓延するようになった。
(これは、聖書で罪が人類に入った背景と似ている)
ギリシャ文化はオリエントやエジプトなど先行文明との相互交流の産物である。
エリュシオン:ギリシャ版のパラダイスである。辛い涙もなく、労働もなく、一年三度も実りがもたらされる。暖かい陽光が降り注ぎ、美しい花々が咲き乱れている。
ギリシャ神話における死後のユートピアはキリスト教の天国のように垂直方向に向かうのではなく、この世界の延長戦に水平方向に向かって想定された。
ギリシャで地語句は「タルタロス」といい、キリスト教の地獄と違ってそれは単なる隔離場所である。
ギリシャの終末論:因果応報の観念が反映されている。「入国資格」と審査は道徳的観点が重視される。
オリンピックの発症の地でオリュンピアでは、最高神ゼウスの聖域である故、宗教行事も行われた。
ギリシャ神話の怪物は三つのタイプがある:
巨大タイプ、器官の欠損/過剰タイプ、ハイブリットタイプ
(黙示録での怪物はギリシャ神話の影響を多少受けたと思われるようになった。ギリシャ神話は紀元前8世紀から紀元7世紀の間に発展したと言われている。黙示文学は少なからずギリシャ神話の表現の影響を受けたと思う)
占星術はメソポタミアで、特にバビロニアで発達した。ギリシャで占星術が発達したのはヘレニズム時代に入ってからポリスの民主的な政治体制が崩壊し、政治情勢や社会が大きく変化した結果、個人の運命に関心が強めたことだと言われている。
まとめ:
ギリシャ神話とは、宇宙や自然、神々、人間、動植物など、この世界を構成するすべての事項や現象を物語形式によって説明しようとするギリシャ人の思惟の結晶の一つである。神話には教訓話としての機能があった。
人がいかに生きるべきかのモデルを提供したり、人生の迷いに解決の糸口を与えたりする機能をもっていた。